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日本華僑華人学会2020年度第1回研究会の報告

2020 年度第 1 回研究会を 2020年 11月 14 日(土)に山口大学で開催した。研究会は、若手ライティングアップセミナーとして、若手会員による発表と「私の博士論文」の2部に分けて行った。プログラムは以下の通りである。

 

開催日時:2020年11 月14日(土)9:30~12:40
開催場所:山口大学 吉田キャンパス 人文学部 小講義室

 

第一部 若手ライティングアップセミナー
時間:9:30-11:20

 

発表者1:酒艶悦会員(北海道大学大学院教育学院多元文化教育論講座博士後期課程)
発表タイトル:「外国人非集中地域における継承語としての中国語教育の考察-札幌市を例として」
コメンテーター:石川朝子会員、高橋朋子会員

 

発表者2:郁識会員(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程)
発表タイトル:「華文から見られるアメリカの新移民作家の位置付け」
コメンテーター:大井由紀会員、舛谷鋭会員

 

発表者3:Hao Hongyi会員(長崎大学大学院多文化社会学研究科博士後期課程)
発表タイトル:「11-14世紀西日本における華商渡来銭の流通状況に関する研究」
コメンテーター:廖赤陽会員、芹澤知広会員

 

第二部 「私の博士論文」
時間:11:30-12:40

 

発表者:辺清音会員(国立民族学博物館外来研究員)
発表タイトル:「初心にかえる-初めて南京町に行ったあの日から博士論文提出まで」
博士論文題名:「神戸南京町 50 年の民族誌的研究-包摂的チャイナタウンの生成と変容」

 

研究大会の前に開催されたこともあり、多くの会員が参加した。今回の若手ライティングアップセミナーでは、酒会員、郁会員、Hao会員の3名の発表があった。それぞれの発表に対して、非集中地域の華人教育問題、華人文学と新移民の位置付け、歴史上の渡来銭と華商の役割などの問題をめぐって、石川会員、高橋会員、大井会員、舛谷会員、廖会員、芹澤会員の6名のコメンテーターから、研究論文の作成にあたり、大変貴重かつ学際的な意見があり、とくに論文の作成にあたり、より具体的なアドバイスと建設的なコメントもあった。フロアからも質問が多数出された。若手会員だけでなく、参加者の皆さんにとっても有意義かつ実りある研究会であった。
第二部の辺会員の発表は、博士論文の内容だけではなく、博士論文の完成に至るまで、すなわち学問を始め、 深めていく過程の中で影響を与えられた出来事、フィードワークの手法や指導教員の指導プロセスなどについても紹介しながら、どのように博士論文を作り上げていったのかを紹介するものであった。また、最後に博士論文提出後の今後の研究の課題と発展性についても紹介された。最後の質疑応答では、フロアからも多数の意見が出された。

 

(文責:王維 研究企画委員長)