第11期会長退任挨拶
三尾裕子
2024年1月1日から2025年12月31日までの第11期会長を務めさせていただきました。大過なく第12期に引き継ぐところまでこぎつけられたと感じておりますが、それは、理事の皆様はじめ、会員各位のご支援があったからこそであり、心より感謝申し上げます。
伊藤泉美第10期会長のもと、学会の規則やシステムの改善とリニューアル、選挙におけるインターネット投票の導入、ホームページの刷新など、様々な長年の懸案が解決されたため、第11期の会長としては、大船に乗った形で理事会運営を進められたことを、大変にありがたかったと思っております。
第11期においては、それらの基礎に基づいて、主に理事選挙の実施方法などについて整備を進めてまいりました。近年、投票率の向上だけではなく、学会理事の新陳代謝を促していくことが重大な課題として指摘されてきました。特定の年齢層の会員たちが長期にわたって理事に選ばれることは、学会運営をスムーズにする一方で、現代の社会的な潮流の変化や技術の進歩に合わせて学会を進化させていくという点においては、決してプラスにはならないと判断しました。そこで、理事の多選を防止しつつ、学会運営の継続性を確保するにはどうすべきかについて慎重な議論を重ね、理事・監事選挙規定を改定し、実施した選挙の結果選出された上田貴子会員以下の方々に、第12期の運営を担っていただくことになりました。
上田新会長をはじめとする第12期理事の方々の中には、既にこれまでも理事としての経験を積んでこられた方も少なくない一方で、複数の方が新たに理事会に加わってくださっており、フレッシュな働き盛りの皆さんによる学会運営がなされることが期待でき、第11期会長としては、安堵するとともに、今後の学会の発展にわくわくしています。
昨今の社会情勢を見渡してみますと、移民やマイノリティに対してフレンドリーではない雰囲気が広がりつつあることが懸念されます。このような時にこそ、学術的な立場から移民研究を進め、その成果を社会に還元し、広く多様な人々との共生、共創を進めることが社会をより骨太でクリエイティブなものにしていくことを粘り強く主張していくことが必要だと考えています。学会員の皆様には、これまで以上に学会活動に関心を寄せ、第12期理事会をサポートしていただくとともに、学会における研究活動を活性化していただくことをお願いいたします。
第12期会長就任挨拶
上田貴子
国際情勢が緊迫するなか、国内では国を越える人の営みへの理解が狭まってきています。
国内外で吹き荒れる風波が悩ましい今こそ、我々の研究が必要とされる時だと考えています。その必要性のひとつが、日本の内と外をつなげ、より開かれた視野を提供できることです。そのためにも第12期理事会では、国外と連携をとり、研究発信をする機会を作りたいと考えています。例えばISSCO(世界海外華人研究学会)を視野に入れた活動などです。大会・企画・学会誌・HPを通じて、会員の皆様が研究を世界に向けて発信していくプラットフォームとして機能していければと思っております。
第12期理事会は第11期理事会において取り組まれた学会活性化のしかけとして、理事会メンバー固定化を回避する試みの成果として誕生しました。第11期理事会は三尾会長の下でこの課題にとりくみ、理事・監事選挙規定の変更をいたしました。8期を越えて理事を経験した会員は被選挙人名簿への氏名の掲載を辞退することができるとしたことで、第12期理事会の顔ぶれは大きく変わりました。理事経験が3~1期というメンバーが7人います。また、それぞれの委員会には初めて委員を務めてくださる方もたくさんおられます。より多くの会員が学会運営にかかわることで、本学会にできることの可能性が増えていくと思っております。実現にはひとつひとつ手順を踏む必要がありますので、時間がかかりますが、会員のみなさまのご協力をいただきなら本会を盛り立ててまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
第10期会長退任挨拶
■第10期会長退任挨拶
伊藤泉美
2022年1月1日から2023年12月31日までの第10期会長を大過なくつとめられましたこと、まずは、理事の皆様はじめ、会員各位に深く感謝申し上げます。
前第9期からの継続課題を含め、第10期では特に学会の規則やシステムの改善とリニューアルにつとめました。ちょうど2003年の本学会設立から20年が経ち、規則などが現状にあっていないなどの問題が認識されてきたからです。
総務委員会を中心に、学会会則では会員区分と役員に関わる項目などを整理修正しました。選挙については、投票率の低さが長年の課題となっており、インターネット投票の導入が検討されてきました。選挙管理委員会の尽力で、システム上の諸課題をクリアし、2023年の役員・理事選挙からインターネット投票のシステムが導入されました。その結果、投票率がほぼ倍増しました。改定された学会規則と理事・監事選挙規定の内容は、学会誌最新号第20号に掲載されています。
学会の活動を内外に知らせる重要な役割を果たすのが、学会のホームページです。広報委員会によって前期から着手されていたHPが刷新され、デザイン・内容ともに充実したものとなりました。また、コロナ禍の日々を反映し、研究企画委員会によるオンライン講座も始まりました。研究大会については、2022年度は横浜の神奈川大学みなとみらいキャンパスで、2023年度は神戸の中華会館で実施され、華僑華人社会を抱えるそれぞれの地域性が発揮された充実した大会でした。さらにここ数年の懸案であった、日本学術会議協力学術研究団体にも認定されました。
学会活動をより充実していくには、会員それぞれが当事者意識をもって学会に関心を寄せることが大切だと考えます。そのためには、多くの会員が理事を経験することが必要だと考えており、そのしくみづくりが今後の課題ととらえています。第11期も副会長として、三尾裕子会長のもと、尽力してまいります。
第11期会長就任挨拶
■第11期会長就任挨拶
三尾裕子
本学会は、先輩の諸先生方の多大なるご尽力により設立されてから20年が経過し、着実に成長を遂げてきました。直近の伊藤泉美第10期会長のもとでの理事会では、コロナウイルスのまん延が容易には収束しないという困難な中、これまでにも増して精力的に活動を展開していただき、様々な長年の懸案事項を解決していただきました。たとえば、学会誌のJ-Stageでの公開が始まったことは学会にとって非常に大きな成果といえましょう。これにより、個々の会員の研究成果が学会内だけではなく、学会の外にも広く知られていくことになり、今後、学会員の活躍の場が広がっていくことは間違いありません。また本学会のプレゼンスの向上という意味においても多大な効果が期待されます。このほか、本学会のホームページも一新され、会員の研究がホームページ上でもわかりやすい言葉と画像で紹介されるようになりました。理事選挙、学会費納入等における利便性が向上したこと、そして、本学会が日本学術会議の協力学術研究団体に指定されたことなども特筆すべき成果であると思います。
このような中で第11期理事会の会長職をおおせつかることになり、さらに学会を発展させていく責任の重さを実感しています。ようやく新型コロナウイルスの流行による諸規制が緩和されたため、個々の会員の国内外での研究や現地調査などの活動も再開され、今後新たな研究成果も蓄積されていくことと思います。これからは、コロナ期間中に獲得した新しい技術による学会運営や成果発表方法のノウハウなどを利用しながら、従前の対面による学会活動の機会を増やし、より活性化された華僑華人研究を展開できる環境を整えていくことに努力したいと考えています。とはいえ、そのためには、私一人の力では何もできません。どうぞ学会員の皆様には、ご協力ご指導をいただきますよう、お願いいたします。