2022年度日本華僑華人学会
2022年度第20回年次研究大会は、2022年10月22日(土)・23日(日)の両日、神奈川大学みなとみらいキャンパスにて開催されました。
本年度の研究大会は対面で行われました。大会に参加できなかった会員には、今後、オンライン配信の予定です。
横濱中華學院でのエクスカーションに始まり、個人発表やパネル発表、開催校企画のシンポジウム(I)神奈川大学非文字資料研究センターとの共催、シンポジウム(II)中国語学科との共催が行われました。また「私の博士論文」と若手ライティングアッップセミナーを、同時に日本華僑華人学会2022年度第1回研究会としても位置づけ、実施しました。
一般参加者を含め123人が参加し、活発な議論が行われました。新聞やテレビなどメディアの取材も多く、シンポジウムの内容がニュース番組(NHK)でも報じられました。
大会実行委員会を代表し、参加者、関係者の皆さまに改めて御礼申し上げます。
(文責:村井寛志大会実行委員会委員長)
2021年度日本華僑華人学会研究大会の報告
2021年度第19回年次研究大会は、2021年10 月30日(土)・31日(日)の両日、大阪大学箕面(船場)キャンパスにて開催されました。
本年度の研究大会では、対面、オンラインのハイブリッドで行われ、遠くはスロベニアやデンマークからの参加者も交え、71名の会員、7名の非会員が2日間の活発な議論に参加した。
ここに大会実行委員会を代表し、参加者、並びに関係者の皆さまに改めて御礼申し上げます。 なおオンラインに関しては、Google MeetとZoomを併用しました。
一部、Zoomにおいて不具合があり、関係者にご迷惑をおかけする場面もありましたが、実験的な試みとしては、全体的にはうまく動かすことができたのではないかと考えております。
(文責:宮原曉 大会実行委員会委員長)
2020年度日本華僑華人学会研究大会の報告
2020年度第18回年次研究大会は、2020年11 月14日(土)・15日(日)の両日、山口大学 吉田キャンパス 人文学部 大講義室にて開催された。
本年度の研究大会では、41名の参加会員、及び山口大学のスタッフの並ならぬ努力により、徹底したコロナウイルス感染拡大防止対策が取られ、山口県内でクラスターを発生させることもなく、また事後、参加者の感染も確認されることもなく、2日間の日程を実りあるものとすることができた。
多くの学会や研究集会がオンラインでの研究成果の公開を行うなか、もちろん比喩的な意味ながら参加者の「謦咳」を感じる記憶に残る研究大会を持てたことを、ここにご報告申しあげるとともに、参加者、並びに関係者の皆さまに改めて心より御礼申し上げます。
プログラム
11 月14日(土)
13:50-14:50
book review section
15:00-17:30
開催校企画セミナー「華人めし」
趣旨説明:小林宏至(山口大学)
話題提供:川口幸大(東北大学)
櫻田涼子(育英短期大学)
宮原曉 (大阪大学)
17:45-18:45
総会
11 月15日(日)
8:45
受付開始
9:00-10:20
個人報告 第1セッション
9:00-9:40
戴寧(東京都立大学)
「中国にルーツを持つ子どものバイリンガル教育における実践-コーチング型学習塾を事例に」
9:40-10:20
趙師哲・田中共子(岡山大学)
「『新華人』を対象とした文化変容方略と適応に関する事例的研究」
10:30-11:50
個人報告 第2セッション
10:30-11:10
辺清音(国立民族学博物館)
「中華街における地域性の表出-神戸南京町生誕150年記念事業を事例に」
11:10-11:50
津田浩司(東京大学)
「『共栄報』に見る日本軍政初期ジャワの華僑社会」
13:00-16:00
商品資料館・東亜経済研究所見学会
参考URL: http://www.econo.yamaguchi-u.ac.jp/ecmus/
(文責:小林宏至 大会実行委委員長)
2019年度日本華僑華人学会研究大会の報告
2019年度第17回年次研究大会は、2019年10月26日(土)に近畿大学東大阪キャンパス(G館201教室)にて開催されました。
プログラムは以下のとおりです。
首都圏を離れての開催でしたが、43名(一般会員32名・一般非会員2名・学生会員7名・学生非会員2名)の参加者がありました。
自由論題は午前中に2つ、お昼休みを挟んで午後に2つの合計4つで、バランスよく歴史分野と現代分野をとりあげたものが2つずつとなりました。
午後の後半には大阪に立地する近畿大学ならではの企画として、「大阪華僑・華人の戦後」と題して開催校企画シンポジウムを行いました。
3名の報告者はそれぞれ料理店・学校・留学生をとりあげ、参加者からも積極的な発言が得られ、大阪の華僑・華人を対象とした研究の不足を補うようなシンポジウムとなりました。
懇親会にも30名の参加があり、盛会のうちに終了いたしました。
10:40~11:45
自由論題
10:40~11:10
小川正樹(函館ラ・サール中学校・高等学校)「海峡を挟む華僑社会の活動の軌跡―北海道と南樺太、そして青森・秋田・岩手―」
11:15~11:55
白皓(早稲田大学大学院博士後期課程)「子であり親である「第二世代」はどのような言語ビリーフを抱いているのか―日本在住のニューカマー華人への質的調査から―」
11:55~13:25
お昼休み(理事会 G館203号室)
13:25~14:35
自由論題
13:25~13:55
伊藤泉美(横浜ユーラシア文化館)「横浜華僑と旗袍―服飾史からのアプローチ―」
14:00~14:40
共同報告 趙師哲(岡山大学大学院博士後期課程)・田中共子(岡山大学)「在日中国人の文化変容態度に関する探索的研究」
14:50~17:30
開催校企画 開催校企画シンポジウム「大阪華僑・華人の戦後」上田貴子(近畿大学)「戦後大阪神戸における山東幇の生存戦略―山東系中華料理店のビジネスモデルを中心に―」
陳來幸(兵庫県立大学)「翻弄される戦後冷戦期の華僑社会―大阪中華学校を中心に―」 飯塚君穂(近畿大学)「戦後日本の高等教育における台湾人学生の受け入れ―近畿大学を一例として―」
コメンテーター:安井三吉(神戸華僑歴史博物館) 許淑真(摂南大学)
(文責:上田貴子 大会実行委員長)
2018年度 日本華僑華人学会研究大会の報告
2018年度第16回年次研究大会は、2018年11月17日(土)に、以下のプログラム通り、東洋大学白山キャンパスにて開催されました。一日で大会のスケジュールを組みましたので、朝9時半からのスタートでした。
参加者は56 名(一般会員44 名、非会員 8名、学生・優待会員4名)で、盛況のうちに終了しました。
午前中の分科会では、客家系商人家族の事例と共に、東アジア・東南アジアという現代の地域概念に規定されない華僑華人ネットワークのダイナミズムが、19世紀から1960年代にかけての歴史的過程の中で議論されました。
この学会にふさわしい学際的、かつ新しいアプローチを提示する内容の濃い分科会でした。
続いてお昼休みを挟んで、4つの個人発表がありました。多様なテーマを取り上げたご発表で、各発表において活発な議論が交わされました。
翌日に若手ライティングアップセミナーが企画されていたこともあり、大学院生による発表はありませんでした。
開催校企画シンポジウムでは、「変貌を遂げる21世紀の華僑社会」をテーマに、シンガポール、イタリア、ボツワナ、そして僑郷の事例が報告されました。
質疑応答に時間的余裕がありませんでしたが、華僑華人社会の近年の変化に目を向けさせるものでした。
懇親会では、16階からの東京の夜景を楽しんでいただきながら会員相互の懇談の輪が広がりました。
9:30-11:30
分科会「東南アジア・東アジア間の華僑華人ネットワーク再考―客家系商人家族の事例研究から」代表者:芹澤知広(奈良大学)
発表者:工藤裕子(東洋文庫)、陳來幸(兵庫県立大学)、芹澤知広
司会・趣旨説明:北村由美(京都大学)、コメンテータ:古田和子(慶應義塾大学)
11:30-12:30
個人発表
11:30-12:00
宮原 暁(大阪大学)「『僑批』と『唸経』の文脈-華僑華人研究における多声的翻訳モデルの可能性」
12:30-13:00
石川朝子(帝京大学)「日本の中華学校の教育改革の現在」
12:30-13:30
お昼休み (理事会:8号館セミナー室5)
13:30-14:30
個人発表
13:30-14:00
横田祥子(滋賀県立大学)「ダヤック人の神格化に見る世界観の交差-インドネシア西カリマンタン州の民間信仰から」
14:00-14:30
王 維(長崎大学)「ザンジバル華人社会の再構築」
14:40-17:40
開催校企画シンポジウム「変貌を遂げる21世紀の華僑社会」 趣旨説明:山本須美子 (東洋大学)
登壇者:奥村(平島)みさ(東洋大学)「新華僑が変えるシンガポール華人社会」
田嶋淳子(法政大学)「イタリアにおける中国系ニューカマーのコミュニティ形成をめぐって」
シ・ゲンギン(京都大学)「南部アフリカにおける新華僑」
川口幸大(東北大学)「21世紀の僑郷-何が変わり、何が変わっていないのか」
コメンテータ:山下清海(立正大学)、張玉玲(南山大学)
17:50-18:30
総会
18:45-20:45
懇親会
(文責:山本須美子 大会実行委員長)
日本華僑華人学会2021年度第1回研究会の報告
2021年度第1回研究会を2021年10月30日(土)に大阪大学で開催した。研究会は、若手ライティングアップセミナーとして、若手会員による発表と「私の博士論文」の2部に分けて行った。プログラムは以下の通りである。
開催日時:2021年10月30日(土)
第1部 9:50~11:50
第2部 13:00~14:10
開催会場:大阪大学箕面新キャンパス(船場キャンパス)
第1部 若手ライティングアップセミナー
発表者1:郭文琪会員(大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学)
時間:9:50~10:30
「日本における中国人ライフスタイル移住者のネットワークの構築-大阪在住者の事例に基づいて」
コメンテーター:曽士才会員、廖赤陽会員
発表者2:郝洪熠会員(長崎大学大学院多文化社会学研究科博士後期課程)
時間:10:30~11:10
「12-15世紀における華商貿易の展開-日中両国間の銭貨流通状況をめぐって」
コメンテーター:陳来幸会員、李正熙会員
発表者3:張申童会員(名古屋大学大学院人文学研究科文化動態学博士後期課程)
時間:11:10~11:50
「名古屋における中国人新移民とその社会空間の構築-春節祭を中心に」
コメンテーター:陳天璽会員、張玉玲会員
第2部 「私の博士論文」
発表者:鶴園裕基会員(早稲田大学地域・地域間研究機構客員次席研究員)
時間:13:00〜14:10
発表タイトル:「政治学的華僑華人研究への道のりを振り返る」
博士論文題名:「戦後東アジアの地域秩序再編と日本華僑-日台間人の移動管理体制の形成(1945-1952)」
2021年度第1回研究会は、研究大会の前に開催されたこともあり、多くの会員が参加した。今回の若手ライティングアップセミナーでは、郭会員、郝会員、張会員の3 名の発表があった。それぞれの発表に対して、中国人ライフスタイル移住者のネットワークの構築、12-15世紀における華商貿易の展開および、中国系新移民とその社会空間の構築などの問題をめぐって、曽会員、廖会員、陳来幸会員、李会員、張会員、陳天璽会員の6名のコメンテーターから、研究論文の作成にあたり、大変貴重かつ学際的な意見があり、とくに論文の作成にあたり、より具体的なアドバイスと建設的なコメントもあった。 第2部の鶴園会員の発表は、博士論文の内容だけではなく、博士論文の完成に至るまで、すなわち学問を始め、 深めていく過程の中で影響を与えられた出来事、文献調査の手法などについても展開しながら、どのように博士論文を作り上げていったのかを紹介するものであった。そして、最後に博士論文提出後の今後の研究の課題と発展性についても紹介された。フロアからも質問が多数出された。若手会員だけでなく、参加者の皆さんにとっても有意義かつ実りある研究会であった。
(文責:王維 研究企画委員長)
日本華僑華人学会2020年度第1回研究会の報告
2020 年度第 1 回研究会を 2020年 11月 14 日(土)に山口大学で開催した。研究会は、若手ライティングアップセミナーとして、若手会員による発表と「私の博士論文」の2部に分けて行った。プログラムは以下の通りである。
開催日時:2020年11 月14日(土)9:30~12:40
開催場所:山口大学 吉田キャンパス 人文学部 小講義室
第一部 若手ライティングアップセミナー
時間:9:30-11:20
発表者1:酒艶悦会員(北海道大学大学院教育学院多元文化教育論講座博士後期課程)
発表タイトル:「外国人非集中地域における継承語としての中国語教育の考察-札幌市を例として」
コメンテーター:石川朝子会員、高橋朋子会員
発表者2:郁識会員(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程)
発表タイトル:「華文から見られるアメリカの新移民作家の位置付け」
コメンテーター:大井由紀会員、舛谷鋭会員
発表者3:Hao Hongyi会員(長崎大学大学院多文化社会学研究科博士後期課程)
発表タイトル:「11-14世紀西日本における華商渡来銭の流通状況に関する研究」
コメンテーター:廖赤陽会員、芹澤知広会員
第二部 「私の博士論文」
時間:11:30-12:40
発表者:辺清音会員(国立民族学博物館外来研究員)
発表タイトル:「初心にかえる-初めて南京町に行ったあの日から博士論文提出まで」
博士論文題名:「神戸南京町 50 年の民族誌的研究-包摂的チャイナタウンの生成と変容」
研究大会の前に開催されたこともあり、多くの会員が参加した。今回の若手ライティングアップセミナーでは、酒会員、郁会員、Hao会員の3名の発表があった。それぞれの発表に対して、非集中地域の華人教育問題、華人文学と新移民の位置付け、歴史上の渡来銭と華商の役割などの問題をめぐって、石川会員、高橋会員、大井会員、舛谷会員、廖会員、芹澤会員の6名のコメンテーターから、研究論文の作成にあたり、大変貴重かつ学際的な意見があり、とくに論文の作成にあたり、より具体的なアドバイスと建設的なコメントもあった。フロアからも質問が多数出された。若手会員だけでなく、参加者の皆さんにとっても有意義かつ実りある研究会であった。
第二部の辺会員の発表は、博士論文の内容だけではなく、博士論文の完成に至るまで、すなわち学問を始め、 深めていく過程の中で影響を与えられた出来事、フィードワークの手法や指導教員の指導プロセスなどについても紹介しながら、どのように博士論文を作り上げていったのかを紹介するものであった。また、最後に博士論文提出後の今後の研究の課題と発展性についても紹介された。最後の質疑応答では、フロアからも多数の意見が出された。
(文責:王維 研究企画委員長)