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日本華僑華人学会2021年度第1回研究会の報告

2021年度第1回研究会を2021年10月30日(土)に大阪大学で開催した。研究会は、若手ライティングアップセミナーとして、若手会員による発表と「私の博士論文」の2部に分けて行った。プログラムは以下の通りである。

 

開催日時:2021年10月30日(土)
第1部 9:50~11:50
第2部 13:00~14:10
開催会場:大阪大学箕面新キャンパス(船場キャンパス)

 

第1部 若手ライティングアップセミナー

 

発表者1:郭文琪会員(大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学)

時間:9:50~10:30

「日本における中国人ライフスタイル移住者のネットワークの構築-大阪在住者の事例に基づいて」

コメンテーター:曽士才会員、廖赤陽会員

 

発表者2:郝洪熠会員(長崎大学大学院多文化社会学研究科博士後期課程)

時間:10:30~11:10
「12-15世紀における華商貿易の展開-日中両国間の銭貨流通状況をめぐって」
コメンテーター:陳来幸会員、李正熙会員

 

発表者3:張申童会員(名古屋大学大学院人文学研究科文化動態学博士後期課程)

時間:11:10~11:50
「名古屋における中国人新移民とその社会空間の構築-春節祭を中心に」
コメンテーター:陳天璽会員、張玉玲会員

 

第2部 「私の博士論文」

発表者:鶴園裕基会員(早稲田大学地域・地域間研究機構客員次席研究員)

時間:13:00〜14:10
発表タイトル:「政治学的華僑華人研究への道のりを振り返る」
博士論文題名:「戦後東アジアの地域秩序再編と日本華僑-日台間人の移動管理体制の形成(1945-1952)」

 

2021年度第1回研究会は、研究大会の前に開催されたこともあり、多くの会員が参加した。今回の若手ライティングアップセミナーでは、郭会員、郝会員、張会員の3 名の発表があった。それぞれの発表に対して、中国人ライフスタイル移住者のネットワークの構築、12-15世紀における華商貿易の展開および、中国系新移民とその社会空間の構築などの問題をめぐって、曽会員、廖会員、陳来幸会員、李会員、張会員、陳天璽会員の6名のコメンテーターから、研究論文の作成にあたり、大変貴重かつ学際的な意見があり、とくに論文の作成にあたり、より具体的なアドバイスと建設的なコメントもあった。 第2部の鶴園会員の発表は、博士論文の内容だけではなく、博士論文の完成に至るまで、すなわち学問を始め、 深めていく過程の中で影響を与えられた出来事、文献調査の手法などについても展開しながら、どのように博士論文を作り上げていったのかを紹介するものであった。そして、最後に博士論文提出後の今後の研究の課題と発展性についても紹介された。フロアからも質問が多数出された。若手会員だけでなく、参加者の皆さんにとっても有意義かつ実りある研究会であった。

(文責:王維 研究企画委員長)